キャラクターの定型的関係考察
しばしば見受けられる「愛情豊かキャラ」と「心を閉ざしてるキャラ」の組み合わせを、定型的な関係性としてとらえ考察する。
■紹介
下記ABのキャラ組み合わせにおいて、BがAによって絆される傾向にある関係性について考察する。
(A)愛情豊かタイプ(オープンマインド)
(B)心を閉ざしてるタイプ(本当は理解されたい)
恋愛漫画でも少年漫画でもしばしば見られる定型だが、Aが女性でBが男性であることが多い。あるいは、理解されやすい。映画「紅の豚」のように「辛い過去を背負ったオジサマ×無垢で芯の強い少女」という図式である。
なお、他者を信じない属性を持ちつつ破壊自体が目的であるキャラクター(サイコパスに近似)はBから除外し、あくまでも本心では誰かに理解されたがっているであろうと推測されるキャラクターのみBとする。
※場合によっては違う見方(違う定型の可能性の追求)も出来るが本投稿ではこの定型にあてはめることを前提として話を進める。
■基礎
Bが病的なまでに心を閉ざせば閉ざす程物語全体がシリアスな趣となり、逆に人を信じる力が多少なりBにも備わっている場合はBの立ち直っていく姿が主題となり爽やかな印象となり易い。
同定型でもBの心を閉ざしている度合いに応じて物語全体の雰囲気がガラっと変わってしまう。
コメディタッチなのに仄暗さを感じられる作品が好きだが、そういう場合は大抵前者のBタイプ(重症B)が登場する。
また、Aの心に脆さがある場合はBに引きずられてしまい、こちらもシリアスな展開となるがそのキャラをAと呼ぶべきか迷うところだ。
■応用
前者Bタイプ(重症B)と後者Bタイプ(軽症B)が同時に存在し、そこへAが現れる場合もあり、その場合は軽症Bだけが愛を受け入れることが出来救われていく一方で、重症Bは自分を変えることが出来ず、孤独を感じるかもしれない。
そうなると、重症Bは軽症Bをダークサイドに誘い出すかもしれないし、あるいは軽症B&Aの前に敵として現れるようになるかもしれない。
Aと重症Bと軽症Bが3人(あるいはAとBの2人)居るだけで物語はどんどん勝手に進んでいくし、どのキャラの想いを遂げさせるかによって結末を複数種類考える事ができる。
■作品例
【少女・女性】
ガラスの仮面(重症Bヒーロー×A主人公)
オットに恋しちゃダメですか(軽症Bヒーロー×A主人公)
キス&ネバークライ(Aヒーロー×重症主人公。ヒーロー以外の男もAなのでヒーローだけに絆された訳ではないが)
【少年・青年】
銀魂(重症B敵、A仲間、軽症B主人公:高杉、神楽&新八、銀時)
食戟のソーマ(A主人公×軽症Bヒロイン)
ブラックジャック(重症B×Aヒロイン)
【BL】
恋する暴君(軽症B攻×A受)
エスケープジャーニー(軽症B攻×A受)
終わらない不幸についての話(A攻×軽症B受)