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兼業主婦のオタク雑感ブログ/アニメ・海外ドラマ・商業BL感想他

BL小説感想「密約のディール」英田サキ先生

 

<あらすじ>

病床にある祖父のたっての願いで、祖父の会社を引き継いだ水城。辛い幼少時代を過ごした水城にとって、祖父の存在は唯一かけがえのないものだった。そんな折、高校の同窓会に参加した水城はかつての親友・鴻上と再会する。卒業間際の夜、自分に乱暴をしたことから二度と会いたくないと思っていた男だ。しかしその後、水城の会社に買収話が持ち上がり、買収されたくないなら、俺の愛人になれと鴻上に持ちかけられる。水城は会社を守るため、そしてもう先の長くない祖父のために、その屈辱的な要求を受け入れるが…。

 

【一言紹介】
弱みにつけこんで愛人契約を迫る攻…とだけ聞くと「鬼畜・強引プレイ」な印象ですが、紳士で優しいセーフティセックスが続く安心仕様です。昔から燻ぶり続ける恋心や切ない距離感の描写が最高。

 

【感想】
英田先生の作品のうち、ベスト3に入るお気に入りのタイトルです。初めて読んだ時も大好き!!でしたが、二度目三度目でもっと好きになりました。
受視点で物語が進むので初見だと攻の気持ちを理解しきれないのですが、オチを知ってから読み返すと攻の受への想いが端々から読み取れて最高です。その為二度目まして以降は、攻が愛しすぎて序盤から涙が止まりませんでした。感動するお話かと言われればそうではないのですが、攻が健気で不憫で泣けてくるんです。←序盤以降、読み終わるまでずっと涙目でしたw

 

株式に関する聞き慣れない単語も沢山出てきますが、じっくり読むとTOB・企業買収についてのアレコレが一体どういう仕組になっているのか少し解ってくる親切な設計。何となく勉強した気にもなれてお得です。

 

※以下から、ほんのりネタバレありの感想です※

 

萌①嫌がらせのように無理やり関係を結んだ癖、終始受を甘やかしちゃう攻

 

過去の因縁の為、受の弱みにつけこんで愛人契約を持ちかけた攻。
ここだけ聞くとちょっと鬼畜な香りがしますが、全然そんなプレイはございません。私にとっては萌えポイントですが、逆にその点ご期待されている場合は注意が必要ですw

最初の夜は手淫だけで終わるわ、次の夜は自分から散々ご奉仕した挙句念入りにお尻をほぐすわで、徹底した攻のセーフティセックスを堪能出来ます。

 

二人は高校時代に何やかんやあった仲なのですが、攻は未練タラタラというか、惚れた弱み現在進行形で…どうしても受に酷くしきれないんですよね。

 

「今日は手加減しないからな」とわざわざ宣言した癖に、キス→乳首舐め→口淫→お尻を慣らす、とまるでマニュアルを読んだかのような丁寧な手順を踏む攻が愛しくてたまりません。

お前…手加減しかしてないだろ!!

途中でそういう献身的な自分を恥ずかしく思ったのか「愛人には惜しみなく快楽を与えてやる」と口だけは偉そうに言い訳し始めて、愛しさが天井超えしていきます。

 

忍姦の感想を書いている時にも思いましたが、「酷くしてやるぜ!」的な宣言をしつつ実際には優しいセックスしか出来ない攻、が私の萌えツボを押しまくるようです。憎しみの感情に突き動かされながらも、いざとなると根本にある優しさや受への愛が勝ってしまう攻。あ~大好きです。

 

恋人同士でもここまで順を追う優しいエッチは、そう多くないのでは。まさに、受のお尻に優しいBLと言えるでしょう。

 


萌え②受はいい子なんだけど、どこか女王様

 

受は思い遣りのある優しいいい子です。恵まれているとは言えない家族環境の中育ちましたが、根がまっすぐで努力家で、あまり人に嫌われないであろう凛とした爽やかさも持ちあわせています。
が、攻に対して比較的強気というか、攻が言うように女王様っぽい態度がちょこちょこ見られます。自然に人におねだり(半ば命令?)しているというか…妙に無防備というか。キスしただけの攻に対して「変態っ」と罵ったりするんですよ。本来なら弱い立場の筈なのに…(笑)

もはや攻が可哀想になってきますが、この不意な身勝手っぷりが何とも可愛らしいんですよね。受は攻が思いの外優しいので段々ドキドキしてきちゃってるんですが、それを誤魔化すようにか「変態」と二度も言います…w

 

また、受には「事を荒立てたくないからとりあえず微笑む」という癖が高校時代にあったのですが、攻的にその笑みは女王様の微笑であり「従わねば」と想ってしまうような破壊力があったそうです。←結構意訳してますが、攻が自らそれを受に吐露するので吹き出しましたw
攻の受愛っぷりが伺えてニヤニヤするエピソードですね。

 

最後に、Amazon「密約のディール」ページのレビューに大変共感したので引用させて頂きます。

鴻上=攻です

↓↓

>最初こそ「女王様を跪かせてやる」と傲慢だった鴻上ですが、
>結局、女王様に跪いているのはアンタでしょ(笑)な立場に。

 

まさに!!!!

なんて的確なツッコミなのでしょう!!

このレビューを見てピンと来られた方はお楽しみ頂けること間違いなしです♪