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TomoLog

主婦+文筆業の雑感ブログ/注意・商業BL感想あります

BL小説感想「凍る月」シリーズ 夜光花先生

全8巻の、「凍る月」(獣人)シリーズ。
今話題の「Kindle Unlimited」でも読み放題対象になってるシリーズです。

凍る月?漆黒の情人? (ラヴァーズ文庫)

凍る月?漆黒の情人? (ラヴァーズ文庫)

 

 <あらすじ>

二十歳になったら死ぬ子供…。そう予言された光陽が、間もなく二十歳を迎えようとしていた。
予言を知らず、家の中に閉じ込められるようにして育った光陽は、祖父と約束した「二十歳になったら自由にしていい」という言葉を信じ誕生日を楽しみにしていた。
しかしある日、光陽の前に美術愛好家の梁井と名乗る男が現れる。
梁井は光陽を屋敷に呼び寄せ、「契約」を取り付けようとしてくる。
「契約」の内容はとても屈辱的なもので、光陽には耐えられそうになかったが、「お互いが死なない為に必要なこと」だと言われ…。

 

これ↑は第一巻「凍る月~漆黒の情人」のあらすじです。

読む順番は「凍る月~漆黒の情人」→「凍る月~紅の契り」→「凍る月~灰色の衝動」→「花の残像」→「花の慟哭」→「銀月夜」→「凍る月~七色の攻防」→「凍る月 瑠璃色の夜明け」で、すべてお話が繋がっています。

 

巻によって、キャラ視点が変わるので ダイジェストで違う巻のあらすじも紹介します。

 

花の残像 (ラヴァーズ文庫)

花の残像 (ラヴァーズ文庫)

 

 <あらすじ>

「俺は君を攫ったことを後悔してない。…君は?」
生まれつき特異体質である巴は、離れ小島の研究所で、隔離されて育ってきた。身体を調べられ、毎日怯えながら生活しているのだ。
しかしある日、その研究所が破壊され、侵入してきた男、須王と出会う。優雅で柔らかな物腰でいて、荒々しい獣のように周りを攻撃する須王に、巴は有無を言わさず連れ去られてしまう。巴が魅了されるほど甘く、それでいて危険な香りのする須王の目的とは…?貴重な「餌」を巡り、獣達のゲームが始まる。

 

銀月夜 凍る月シリーズ スピンオフ (ラヴァーズ文庫)

銀月夜 凍る月シリーズ スピンオフ (ラヴァーズ文庫)

 

<あらすじ>

「俺はあんたを手の内に引きずり込む。あんたがどんなに嫌がろうとな」。
ある組織に両親を殺され、恨みを持っている銀颯人(しろがねはやと)のもとに、ひとりの男が現れる。
その男・佐倉遼は、銀と同じく組織を恨んでおり、皆殺しにするためなら手段を選ばない、残酷な計画を銀に持ちかけてきた。
目的は同じでも、汚い手段を受け入れない銀を、佐倉は強引に陵辱し、銀の中に潜む『黒い本能』を揺さぶってくるが…。
望まないのに、必然的に重なってしまう、ふたりの軋む運命は――…。

 

それから、私情の入りまくった登場人物紹介を。
若干ネタバレしてるのでご注意ください。

光陽
「凍る月」の主人公。受。獣人の餌役。
某キャラに「お前みたいな正義漢ぶった奴は嫌いだけどあまりにバカだから存在は許す」みたいな事を面と向かって言われてしまう程ほんとにおバカ。
生意気で無鉄砲で無力な癖に後先考えず噛みついたり渦中に飛び込んだりします。
光陽のせいで周りがとばっちり食らう多いんだけど、彼のお蔭で物事が好転することもあるので、そういう面は短所であり長所。

 

梁井
光陽のお相手。攻。
ぶっきらぼうながら根はいい人。ほかの獣人に比べるとかなり理性的で優しい。
光陽のことバカだなと思ってるけど可愛くて仕方ない模様。
でも「お前はとにかく静かにしていてくれ」的発言を多くするあたり、光陽の迷惑な性格には若干疲弊気味に見える。笑
何となく枯れたおっさん的性格なので、子供っぽい光陽をハイハイいなしながら可愛がってる様子はどことなくショタコンを彷彿とさせる。エッチ自体は至ってノーマル。

 


「凍る月」と同じ世界線の「花の慟哭」「花の残像」の主人公。受。獣人の餌役。
かなりドンくさい。トロい。でも健気で従順でとにかく可愛い。見た目も13,4歳に見えるという設定も相俟って際限なく可愛い。
恐がりで、知らない人が居ると後ろに隠れちゃう、お人形のように傍において可愛がりたくなる愛玩系です。
凄く優しくしてあげたくなる反面、時々酷い事したくなるような、私のリョナラー心を刺激する受。

 

須王
巴のお相手。攻。獣人組織の責任者。
優しくて公正で人望もあって理性的で能力もあって誰よりも強い完璧超人王子系キャラ。
巴を溺愛。時々Sっ気が出るけど基本は紳士で一晩のエッチの回数が多い絶倫様。
組織の責任者として常に適切な判断をしているのに、その完璧さゆえに恨みを買ってしまう苦労人
でもあまり長くはウジウジしないし自己陶酔もしないので、ほんと完璧なダーリン。
巴も彼のこと大好き大好き!って感じで、カップルセットで応援したくなる。

 


「凍る月」と同じ世界線の「銀月夜」の主人公。受。中二病
自分は孤独だ、不幸だと自己陶酔する傾向あり。すべてを獣人のせいにして生きてきたので思考が偏ってる。もちろん友達は少ない。
でも根が真面目なのでどこか可愛らしく、母性本能というかお世話したりいじったりしたくなったりする子。


佐倉
銀のお相手。攻。
本シリーズで最もどうしようもない奴。
須王を恨んで組織を攻撃するけど逆恨みでしかない。本人も自覚してる。
しかも「須王は高尚でいい奴・自分は下種でぼっち」だという自覚もあって「だからこそ辛いんだよ~~」とか言い出す。おっ前マジでどうしようもねぇな!!
「俺はどうせダメなやつだ」みたいな弱音を吐きながらずるずる受に迫ってなし崩しに関係を持つようなイメージ。
こいつが居なければ皆もっと平穏に過ごせたのに。。
佐倉のキャラ自体は決して嫌いじゃないんだけど、須王贔屓なので彼視点で読んでしまい、どうしても殺意が沸きます。佐倉ファンの方ごめんなさい。

 

 

萌え①:須王(優王子攻)×巴(ドン臭い健気受)カップルがとにかく好き

私は20000%「花の残像」「花の慟哭」の須王×巴カップル推しです。

 

まず須王がタイプ過ぎまして。これぞスパダリじゃないか?!ってぐらい完璧王子な須王。須王に出会えただけでもこの作品を読んでよかったと心から思う。キラキラ王子様系の攻様ではベスト3に入るぐらい好きかも。

王子キャラって妙になれなれしかったりするけど(なれなれしい奴も好きだけどw)須王は距離感が絶妙。自分の考えを押し付けるようなことはしませんし、急に距離を縮めるようなこともしません。
ゆっくり相手のペースに沿ってくれるような柔らかい優しさがあります。
恋人としても素敵だし、組織の長としても最高だし、友達としても普通にいい奴。あー好きだ!

 

で、そんな攻様のお相手・巴は、これまた私の大好きなタイプのかわい子ちゃん。
とにかく従順。かつ怖がりなので基本受け身なんだけど、健気一途さゆえ、須王の気持ちに応えたい!という必死な気持ちをちゃんと行動でも示します。

も~~~ベストカップルですね。
二人が無駄にイチャイチャイチャイチャしてるだけの小説が読みたいです。

 


萌え②:「餌」って設定いいよね。
最初に申し上げておきますと、私は完全にリョナっけがあるタイプなので「餌」って響きからして大変萌えてしまいました。
餌ゆえに、痛覚はあるものの怪我しても体が欠損しても生きながらえてしまうだなんて…妄想が膨らんでたまりません腕切ってもお腹割いても大丈夫なんですよ…酷い事し放題じゃないですか。

※リョナ嗜好は勿論二次元だけにとどめておくのでお許しください。

 

光陽は残念ながらあまり残忍な目に遭わないのですが、巴はこの設定をいかんなく生かした胸糞事件に巻き込まれてしまいます。生きたまま体中抉られたり撃たれたりと容赦ない暴力に毎日毎日さらされちゃう。
これには「可哀想!!」って気持ちと、「たまらん!!!」って気持ちがデッドヒート。
特に巴はぐずぐず泣かせたり許しを請う姿を見たくなったりしてしまうキャラで、正直萌えが勝ってしまいました。

胸糞事件に巻き込まれた後、須王も凄く傷ついて苦悩してしまうのですが、その点も非常に萌えです。
クズ攻が苦悩してぼこぼこになるお話も大好きですが、いいヤツ攻が可哀想な目に遭う展開も大好き

 

その他。
シリーズ通して、物語として非常によくできていて、読み応えがあります。

一見荒唐無稽な設定にも関わらず、展開上ちゃんと着地もしますし、何よりキャラごとの視点の違い・世界の見え方の違いの描き方が秀逸です。
須王視点では正義だった事が銀視点では悪にしか見えなかったり。その辺が無理なく理解できます。

 

ただし。。。

光陽のキャラが私にはちょっとキツかったです。生意気&無鉄砲&おバカが度を超していて、疲れてしまうというか。彼を愛してる梁井でさえ疲れてるんですから、外野の私の疲労感は当然っちゃ当然ですかね…?orz

静かなバカならいいんですが、周りを巻き込むタイプなので全員振り回されるんですよ。読者でさえも…w

私はたまたま主人公が巴になっている「花の残像」から読んだ為、光陽のキャラのキツさに耐えられましたが、素直に「凍る月」1巻から読んでいたら途中で断念していたかもしれません。

 

でも須王×巴は私の萌えを詰め込んだようなカップルだったので本当に読んでよかったです。

やっぱりBLって嗜好に合ってるかどうかが一番大事ですよね。。。としみじみ思いました。いくら物語として完成度が高くても、萌えなければ心に残らない。これはBLならではの現象でしょう。ふつうの小説読んでいたらまずそんな事ありませんので。