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主婦+文筆業の雑感ブログ/注意・商業BL感想あります

BL小説感想「普通のひと」榎田尤利

著者:榎田尤利

イラスト:木下けい子
普通のひと (SHYノベルス/2009/3/28)

 

!!大好きなBL作品を紹介がてら語っている記事であり、レビューにはなり得ていない超主観的な感想文です!!

 

もはやBL小説界のゴッドと化しつつある榎田尤利先生のリーマンBLです。

以下ネタバレを含みますのでご注意下さいませ。

 



【一言でいうと】日常が恋によって事件になるリーマンBL
【受攻概要】ガサツっぽい仕事出来る上司×笑顔が可愛いちょい天然部下
【あらすじ】「普通」な人生を慎ましやかに、それでも懸命に生きてきた男二人が恋に落ちてしまった。同性同士の恋、など「普通」を大切にするお互いにとっては荷が重すぎる。そう考えて忘れようとするのに…。

 


 

私はとにかく「会社」を舞台にした恋愛モノが大好きです。会社の仲間は友達とは違う、緊張感のある繋がり。下手すると敵になり、しかし最高の味方になったりもする不思議な関係ですね。

本作「普通のひと」は仕事上の摩擦がとても丁寧に描写されていました。だからこそ、仕事外での緩んだ二人の時間がより尊く思えるのかもしれない。仕事は我々にとって日常でもあるがドラマ。そこへ更に「恋」などという厄介なものが介入してきたら、事件性が高まること必至です。

特に同性愛に縁のなかった二人がそこへ足を踏み入れるとなると、もう事件なんて言葉じゃ片付けられない。積み上げてきた人生をぶち壊す、天変地異レベル。お互い惹かれ合っていると解っていても、気持ちを受け入れ合うことは難しいものです。

その難しさを乗り越えて、愛を確かめ合っていく・・・そんなシーンでは思わず涙ぐんでしまいました。苦しい、辛い涙ではなく、二人の健気さに心が震えてしまって、いつのまにか溢れているような涙です。

 

挿絵にも触れます。木下けい子先生の挿絵が最高なんである!!
木下先生の既刊漫画はほとんど持っていますが、この二人は特に素敵です。
攻の、仕事人間特有の色気オーラが堪らない。「お花ちゃん」と作中で呼ばれる受の可憐さもばっちり伝わってくる。そして受攻共通して、表現しがたいサラリーマンの哀愁が写り込んでいると思う。

 

私は元々攻に萌えることが多いのですが、ご多分に漏れず今回も攻にときめきまくりでした。ノンケ臭あふれるガサツなくたびれたおっさん、でも仕事バリバリやってるとあれ?もしかして結構いい男かも、って人。
文章でもイラストでも非常にリアルな、ちょっと侘びしい中年会社員を見事に描いていて、どうにも母性本能やらお世話欲やらがくすぐられます。

 

最後にもう一つだけ。
作中、榎田尤利の別作品「猫はいつでも甘やかされる」と「ハンサムは嫌い。」のカップルがゲイバーの一般客役(脇役)として登場します。
もしかしたら、他作品からも登場しているのかもしれないんですが、私が見つけられたキャラクターは今のところ上記だけ。
榎田尤利ファンだったら、ちょっと嬉しいお楽しみポイントですね。