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兼業主婦のオタク雑感ブログ/アニメ・海外ドラマ・商業BL感想他

【TL小説感想】丸木文華先生「マジメな魔王様を(以下略)」

丸木先生ですが、BL小説じゃありません。

TL小説です。

TLジャンルではありますが、男性向エロ小説に近いです。

そしてKindle Unlimitedの対象作品なので会員様は無料で楽しめちゃいます!!

マジメな魔王様を誘惑したらドSな絶倫になりました。

マジメな魔王様を誘惑したらドSな絶倫になりました。

 

 

以下、ネタバレ含む感想。

 

全体を通して、ストーリー、キャラ、世界観設定がお見事でした。 

まず主人公のリリスは「悪魔」に生まれた為「悪魔らしい行動」をとるべく、魔王様を狡く淫らに誘うんですが、実はリリス自身は純粋なイイ子なので、悪魔らしい行動をとることに葛藤があるという設定なんです。無意識下の本心では、天使のような心が息づいている。でも、悪魔に生まれた為、両親や周囲が悪魔らしさを期待する。だから自分を押し殺して生きている。な、なんて健気なリリスちゃん…!

この時点ですでにうまいな~と思いました。根っからビッチなキャラもそれはそれで好きですけどね。この設定により、主人公がマジメな魔王様に惹かれ心揺れる描写に説得力が出て、本作をただのエロ本ではない深みある作品にしていると思います。

 

そういった丸木先生の巧みさが随所に仕込まれていて、最後まで「どうなるんだろう!」とドキドキしながら読み進めることができます。
タイトル通り魔王様が最終的にはドSというかド変態になっていくんですが、世界観上の設定により比較的違和感なく変化を受け入れられました。※その設定が仮になかったとしても私的にはあの変貌OKですけどね。マジメな人程タガが外れるとエロにのめりこむイメージあるので。

Amazonのレビューを見ていると「ばぶみ」「エロ同人のように」といった砕けた表現に引っ掛かりを覚える方も少なくなかったようですが、先生はもともと舞台やテイストによって文体をガラリと変えるので個人的にはあまり気になりませんでした。和ものなら和らしく、時代ものなら時代ものらしく…今回のようにおバカなエロならおバカなエロらしい文体にされてるんだな~面白いな~と、寧ろプラスに感じています。

戦闘力K(カップ) 表現に爆笑でした。

 

1点だけ注意点を申し上げますと最初に記載した通り「TL」というよりも「男性向エロ」的な作品になっていること。途中経過では女性の心情メインでTLらしさも感じますが、ラストのプレイはかなりえぐいですし、例えば彼氏がこうだったら生理的に無理無理無理…と思わせる気持ち悪さです。(私だって彼氏がこれは嫌だ)

エロ同人のように、という表現もどちらかというと男性向的かもしれませんね。